A.C.シエナ情報ブログ “今日のSIENA”

7年目のセリエA、正念場。

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ACシエナ観戦記 (04-05 / Giornata 31゜-32゜)  ~49~

前回は得点の臭いのしないゲームに我らがバンディエラ・キエーザがついに登場し、最初のタッチで右サイドのアウベルトへとボールを送り出したところまででした。

キエーザのパスを受けて、アウベルトは右サイドを駆け上がっていきます。ローマのゴール前はがらがら。そこへアウベルトに速度を合わせながら、キエーザ、マッカローネも詰め掛けます。誰が見ても、やばい!という状況です。オリンピコが失点の恐怖に凍りつきます。

アウベルトはローマのゴール前を落ち着いて確認し、狙い定めて中央へグラウンダーのボールを流し込みます。このボールはマークを引き連れてゴール前に飛び込んできたキエーザにはわずかに合いません。しかし一瞬遅れてファーポスト側に詰めてきたフリーのマッカローネにぴたりと届き、マッカはこれをただ合わせるだけでゴールイン。

ああっ、とスタジアムに落胆のため息が響き渡ります。4万人のため息。その後に沸き返る怒号。

私の周囲のS席のロマニスタたちも、全員が立ち上がり失態をさらしたローマに対し声の限りに怒鳴り散らしています。「何やってるんだ、この間抜けども!」ってなもんでしょうか。それともゴールを奪ったシエナの選手への口撃か、審判に文句をつけているのか・・・。

その中で、ここから反対側に陣取るほんの数百人ほどのセネーゼ(シエナ人)たちだけが狂喜乱舞しています。その声はロマニスタたちの声に掻き消されて全く聞こえませんが、白と黒の旗が盛大に振られ、セネーゼたちの喜びようが見て取れます。シエナの選手たちは彼らの元に駆け寄り、声援と祝福に応えます。

一方私は、あまりにもやすやすと生まれてしまったゴールに何だか呆気に取られてしまいました。

ローマの攻撃には得点の臭いが感じられません。もしローマがこの後もシエナから得点できないのなら、シエナはもう1点取っているのだから、この試合はシエナが勝ってしまうということになります。そうすると私はシエナがミラン、ローマに連勝する瞬間の目撃者になるのでしょうか。そんな旨い話、あっていいんですか?嘘でしょう・・・。

私はこみ上げてくる喜びを抑えて(まわりは絶叫し、椅子を蹴りまくっているロマニスタばかりです)、まるで自分もローマの失点に落胆しているかのような、神妙な面持ちでゲームを見つめていました・・・・・

続きはまた次回!

ACシエナ観戦記 (04-05 / Giornata 31゜-32゜)  ~48~

前回は集中の無いプレーに終始するトッティを見て思うことでした。

間もなくして後半開始。

この時点では両チームともに選手の入れ替えはありません。攻めるサイドが替わってこちら側がシエナゴールになり、ゲームが少し近くで行われるようになります。ただ、私のいる場所はスタンドのかなり高い位置で、選手の見分けはどうにも定かではありません。

遠めで見ていると、ローマの選手たちはどうも誰が誰だかはっきりしません。ボールを持つと全体が一斉に走り出し、ボールを交換しながらシエナゴールへとあっというまに押し寄せてきます。その統制の取れた様は流石と言うしかありませんが、その中で他の選手との「違い」を見せつけられる選手がいません。ローマの選手たちは素行は札付きの不良ばかりですが、プレーの方では没個性な優等生たち、という気もします。それはトッティも含めて、ということです。

そんな中、両チームの中で1人だけはっきり見分けがつくのは、やはりこの男、イゴール・テュドルでした。

身長193cmの大男は、常にゲームの中心にいて、攻撃でも守備でも圧倒的な存在感を放っていました。
時折ドリブルで持ち上がって、マッカローネへぽーん、と浮き球のパスを入れたりするのですが、その時の優雅さといったらありません。どうしてユヴェントスで使ってもらえないのかなあ・・・?と不思議でたまりませんでした(今年またシエナにいてくれるというのは、なんと心強いことでしょうか)。

とはいえ、前線がキウミエント、マッカローネではやはり点が入る気がしません。この膠着状態を見て、やっとデ=カーニオが動いてきました。

後半14分。シエナのバンディエラ(=象徴)、エンリコ・キエーザがキウミエントに替わってピッチに現れます。

そしてそのわずか1分後、シエナに先制点が生まれます・・・・・。

ローマの選手たちは、ゴールキーパーと3バック以外全員が攻撃好きです。シエナディフェンスを何とかこじ開けようと躍起になって攻めにかかっていたローマの背後には、とてつもなく広いスペースができていました。
そのぽっかり空いたスペース目掛け、ボールを奪ったシエナのカウンターが始まりました。

センターサークル手前で待ち受けていたキエーザにボールが渡ると、キエーザは振り返ってわずかにドリブルで前進し、丁寧に右サイドのアウベルトへボールを送り出します。キエーザはこれがおそらくファーストタッチだったのではないでしょうか。

このボールを受けたアウベルトは、完全にフリーで右サイドへ抜け出しました。
この瞬間、私はこの試合を通して初めてのゴールの予感を感じ、ぞおっ、と鳥肌が立ちました。

続きはまた次回!

ACシエナ観戦記 (04-05 / Giornata 31゜-32゜)  ~47~

前回はいまいちぴりっとしない両チームの攻撃と、それでもひたすらにローマを応援するロマニスタたちの姿についてでした。

ローマが怖くないと感じさせた原因の1つには、トッティの集中の無さ、もっと言えばやる気の無さ、というものがあったように思います。

この頃のローマは優勝は夢のまた夢、話題はと言えばローマを見限ってユーヴェへと去っていった裏切り者、カペッロ、エメルソンへの恨み言と、そして何といってもトッティ、カッサーノらの移籍話ばかりでした。

やれトッティの来年の行き先はレアルマドリーだの、カッサーノは親父替わりのカペッロが恋しくてユーヴェに行きたがっているだの・・・結局ローマに残留を決めた2人でしたが、この時は彼らがそろってローマのジャッロロッシ(=赤と黄色)を着るのは今年限りだと誰もが信じていました。少なくともこの中の誰かはいなくなる。それが大多数の見方でした。

そのトッティはサイドに流れてみたり、低い位置でボールを受けてみたりと、一応ローマのゴールのために働いては見せますが、とてもではないですが必死さや真摯さは感じられませんでした。
おそらくローマに対してのモチベーションが揺らいでいた時期だったのでしょう。気まぐれにキープをしてみたり、パスを狙ってみたりしては失敗し、それでシエナのカウンターを招いていました。

やる気のかけらも感じられないトッティを見て、私は彼をこれ以上ローマに留めては駄目だな、と思ったのを覚えています。ローマは決して小さくは無いクラブですが、世界の舞台で本当に上を目指して戦うには、一言で言って資金が足りなさすぎます。ここにいる限り、彼が見られる夢はたかが知れたものになってしまいます。それは罪なことだと私は思いました。

しかしそれら周囲の予想を裏切って、トッティもカッサーノもローマに残りました。試合に使われていないカッサーノの方は12月には何か動きがあるかもしれませんが、トッティの方はローマとの「終身雇用」ともいうべき2010年までの契約にサインしました。

果たしてこれが本当に正しいことだったのでしょうか。しかしその答えは誰にも分かりません。ただ、ロマニスタにとってはこれ以上ない朗報だったことでしょう。トッティはローマでなくても良いかもしれませんが、ローマはトッティでなければ駄目なのです。

圧倒的にゲームを支配しながら点が取れないローマはさらに攻撃の手を強めます。クロスや遠くからのシュートといった確実性の無い方法ではシエナの守備を破れないことが分かってきたローマは、ドリブルとショートパスでシエナの守備ブロックのわずかな隙間へ突っかかり始めました。ほとんどの攻撃は跳ね返されますが、やはりそこはローマ。狭いコースをすり抜け、シュートチャンスを作り出します。

しかし、そこまでしてようやくシュートを放っても、そこにはミラン戦でも好セーブを連発したゴールキーパー、アレックス・マニンガーが立ちはだかります。至近距離からのシュートもマニンガーが弾き出し、やはり得点には至りません。一度はポストに当たって跳ね返ったボールをあとはモンテッラが触るだけ、なんてシーンもあったのですが、これまたマニンガーが掻き出してしまいます。
本当に頼りになる男です。

結局片手で数え終わるほどのシエナのカウンターも当然実らず、両チーム無得点のまま前半は終了しました。

続きはまた次回!

ACシエナ観戦記 (04-05 / Giornata 31゜-32゜)  ~46~

前回はとうとう始まった私とシエナの第2戦、ローマ戦の両チームの陣容についてでした。

ゲームは圧倒的なローマのペースで進んでいきます。

怪童・カッサーノを欠くとはいえ、トッティ、ダクール、デロッシ・・・といったローマの誇るテクニシャンたちが次々とパスを繋げ、あっという間にシエナのゴールへと迫ります。しかし、じゃあ失点は時間の問題かと言えばどうもそういう気はしません。

シエナのゴール前には3枚のセンターバックと3人のミッドフィールダーが綺麗に2×3のブロックを形成し、分厚く守っています。この中に突っ込んで仕事をするのは、トッティらのテクニックをもってしても骨が折れたことでしょう。

自然と攻撃は手薄な両サイドからのクロスボールや、守備ブロックの手前からのミドルシュートという形が増えます。

しかしクロスを放り込んでも中はただでさえ人数がいる上に193cmのテュドルまでいたりして、片っ端から跳ね返されてしまうし、ミドルシュートもいかんせん距離が遠すぎる。このままではローマはシエナからは得点できないぞ、どうするつもりなのかな、と私は思いながらゲームを見つめていました。

一方シエナはと言えば、とにかく拾ったボールをマッカローネ目掛けて蹴りこんで、あとは1人でよろしくというサッカーで、こちらもまあ得点はできないだろうなという感じ。一生懸命やってくれているマッカには申し訳ないですが、シュートの精度がちと足りないようです。キウミエントにいたってはボールに触れる機会すらほとんどない。

どこか緊迫感を欠いたゲームの中で、私の興味は選手たちよりロマニスタたちの方へ向いていました。

すでに述べましたが、良いプレーには拍手喝采、駄目なプレーにはすかさずブーイングが投げかけられます。その一喜一憂振りはまるで運動会にやってきた馬鹿親のよう。

ミラニスタだってそのミランへの傾倒ぶりは大変なものでしたが、ロマニスタのそれは全く次元が異なります。私の周囲は一応S席で、比較的落ち着いた人々がやってきているはずなのですが、全くそうは思えませんでした。

私から右に数メートルほどのところにいる中年男性は、試合中何か気に食わないことがある度に立ち上がって怒声を上げ、自分の座っていた椅子に蹴りを食らわしていました。
私はこいつとだけは目を合わせないようにしていたのですが、そういう危なそうなのがこいつだけじゃなくてそこらじゅうにいます。S席なのに

やはりロマニスタというのはちょっと特別な人々のようです。私の前の席のあのカップルは、さすがにそこまでヒートアップすることはなく、彼らの回りにいる分にはここは安全地帯だなという気がしました。

続きはまた次回。

ACシエナ観戦記 (04-05 / Giornata 31゜-32゜)  ~45~

前回はスタディオ・オリンピコで聞く生のRoma Romaの感動についてでした。

Roma Romaの後奏が終わらないうちに主審のキックオフの笛が吹かれていたようです。歌声に掻き消されて何も聞こえませんでした。

例によって場内アナウンスもまともに聞き取れず、出場している選手たちの顔触れもよく分かりません。携帯からネットにアクセスして先発メンバーをチェックします。

この頃のローマの売りと言えば、トッティ・カッサーノ・モンテッラトリデンテ(=3トップ)。重量級のストライカーは置かず、中・軽量級の3人がパスワークの滑らかさとフィニッシュの正確さで数々のゴールを生み出し、攻撃力だけならセリエA屈指の力を持つことは誰の目にも明らかでした。この3人を無失点に抑えるなんて無理だろう、と、私はずっと前から心配していました。

しかし何と言うことでしょう、ローマの先発メンバーにはカッサーノの名前がありません。

昨季のローマは開幕直前に辞任したプランデッリから数えて、実に4人の監督が指揮を執りました。この試合の監督はその4人目の監督、ブルーノ・コンティでした。
コンティにいかなる考えがあったのかは分かりませんが、彼はこの試合なぜか自慢のトリデンテを起用しないことを選択しました。正直言って私は、助かった、と思いました。

ローマのフォーメーションはおそらく3-5-2で、最前線がこの時まだぶっちぎりで得点王だったモンテッラと、ローマの王子トッティのツートップ。中盤はデ=ロッシ、ダクールといった面子が5人横一列に並ぶような形だったのでしょう。

そして我らがビアンコネロはというと、こちらはどうやら前回ミランを粉砕した3-5-1-1をまた使ってきたようです。中盤から後はポルタノーヴァに替えてチリッロ、パスクアレに替えてファルシーニが入り、後は前と同じ顔触れ。
そして前線で縦に並ぶ2人を監督のデ=カーニオはそっくり入れ替えてきました。最前線が惜しみないランニングで守備をかき回すマッカローネ、そして彼を背後でサポートするトレクワルティスタに若きキウミエントを起用。キエーザはベンチスタートでした。

日曜のミラン戦からこの水曜のゲームまでわずか中2日。疲労を考慮してキエーザを温存したのだろうか・・・とこのときは想像していたのですが、あとでキエーザはこの守備的な3-5-1-1が気に入らずデ=カーニオに楯突いたという話も目にしました。もしかすると裏では一悶着あったのかもしれません。

そんな訳で、どちらのチームも今ひとつ攻撃には本来の怖さがないような状態のまま試合は進んでいきました。

続きはまた次回!

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