結論から言います。今フィレンツェに行くのはオススメしません。
サイタマジャケットの彼と別れてから、私はフィレンツェ名物のビステッカ、という超豪快Tボーンステーキを食べたくて、夕食を取るレストランを探していました。どこに入るか迷いながら歩いていると、なにやら後方から大声で騒ぐ声が聞こえました。
振り返ると数人の子供たちが私に向かって、
「イデー!イデー!」
と叫んでいました。
「イデ」、というのはHが発音できないイタリア人が言う「ヒデ」。そう、中田英寿のことです。
この後フィオレンティーナはミッコリ、ヨルゲンセンといったスターたちの大量補強の甲斐もなく、結局最終節でのブレシア戦に勝って逆転で残留を決めるというぎりぎりのところまで追い込まれることになります。
この時はずるずると順位が下がり始め、セリエB降格が笑い事ではなくなっていた時期でした。そしてそれは、鳴り物入りでやってきて背番号10を任されたにもかかわらず、何の貢献もしていない日本人ジョカトーレ・中田英寿のせいだと認識されていました。
いつだって結果を出せない外国人は、失敗の責任を押しつけられます。昨季の中田が良くなかったのは事実ですが、格好のスケープゴートにされてしまった感は否めません。アンフェアです。
彼らは同じアジア人でも見分けがつくらしく、通りすがりの私をからかってその鬱憤晴らしをしていたのでした。当然腹も立ちましたが、それ以上に彼らの方が日本人に失望し、軽蔑している訳で、私はなんだか悲しくなってしまいました。
その後入ったレストランでウェイターにまた「ヘーイ、サムライ」をやられます。サムライしか知らんのかと言いたくなります(でもビステッカは食えました。肉の味が野性的で美味かった!)。
もう悔しくて仕方がありません。しかし、このイヤミな街に対する復讐は、実はすでになされていました。
2月20日に行われたシエナ×フィオレンティーナ戦で、シエナはフローのとんでもなく綺麗なヘディングシュートで1-0とヴィオラを撃破していました。ありがとう、フロー。
そんな訳で、この後フィオレンティーナがシエナにも追い抜かれて降格圏に落ちていくのを見ながら私は、「ざまー見ろ!」と大喜びしていました。
続きはまた次回。
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